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書きたい!だから書く
2:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 10:34 [sage] 「定点」 パチッパチッと蛍光灯に電気が走る音で私は、目覚める。 決まって夕方の5時くらいだ。深夜の0時にはふたたび 眠りにつく。 夕刻の繁華街 「おはようございます」私の脇で 若者が道路の反対側に向かい、声を掛ける。 「おはよ〜〜!お稼ぎなさい」通りの向こうから毎日決まって だみ声のしかし、心のこもった返事がある。幅6mはあろうか という道路越しでのあいさつが交わされる。 歳の頃、40代半ばきれいに化粧をしたお姐さんである。 お姐さんではあるが男性である。 ある日、若者は初めて彼女に「おはようございます」と おそるおそる声をかけた。その時、「おはよ〜〜! お稼ぎなさい」と 返ってきた。若者は、なぜかうれしい気分になり、それからというもの 夕刻のあいさつが日課となっていた。彼女のお店の名前も知らない。 あいさつの言葉以外は話した事は無い。勿論 名前もしらない。そんな関係である。 若者は、ピシッ とクリーニングに出された白いワイシャツ 襟もとには黒の蝶ネクタイ。歳の頃、22〜23とい所で あろう。若者は隣の洋服屋の店員に声を掛ける。「おはよう ございます」「あっ!おはよ」店員はダンボール箱を店の外 に出す作業をしている。洋服店の前は歩道になっておりそこに ダンボールが山になっている。
3:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 10:35 [sage] ネオン瞬く繁華街 若者はお店の売り上げを伸ばそうと必死に入り口前の歩道で お客の呼び込みをしている。「はい!いらっしい」 どうも今日は人があまり出ていないようである。「ふっー」 とそこへ、リヤカーを引っぱってくる腰の曲がった老人が 歩道をこちらに向かってくる。歳の頃、70すぎではないか と思われる。腰が90゚ちかく曲がり串に刺した海老のような 体勢で歩いているので見た目より老けてみえるのかもしれない。 若者は老人の方に顔を向け目だけで目礼をする。老人もなにも 言わず、首を縦に こくりと返事する。その後、洋服屋の店先 に出されてあるダンボール箱を 黙々とリヤカーに積み込む。 これが、老人の生きる糧である。ダンボール・キロ いくらに なるのだろう。大した金額にならないだろうと想像はつくが.. 若者と老人は口をきいた事は無い。 ある日、老人がいつものリヤカーを引いて此処にこない日があった。 次の日もその次の日も....溜まっていくダンボール。 深夜0時繁華街 「ありがとうございましたー」」私の脇で 若者は最後のお客を送り出す。 「ふっーー」ワイシャツの袖をまくり、ホウキを手に取る。 これから、閉店後の掃除である。入り口脇、建物の目立たない 所にある コンセントに挿してある線を引き抜く。 パチッ 私は、眠りにつく。イメージクラブ*************** そう、私は看板。 パチッパチッと蛍光灯に電気が走る音で私は、目覚める。 決まって夕方の5時くらいだ。深夜の0時にはふたたび 眠りにつく。
4:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 10:36 [sage] 「雪」 純平は高校を卒業後、大学進学と順調に歩んできた。 大学生活も1年、2年と経ちそれなりに遊びも覚え 校舎のある名古屋の地にも言葉にも慣れ少し、だらけ 気味の日々を過ごしていた。時刻は夕方5時少し前 純平は背を丸め、うつむき加減に名古屋市中区錦の テレビ塔近くを歩いていた。人というものは元気が ない時など、知らず知らずのうちに地べたを見ながら 歩くものである。純平も御たぶんに漏れずそのくちで ある。 「あぁ〜今日は12月23日か〜」 「はぁ〜〜彼女もいないし〜、また、今年も寂しい クリスマスか」
5:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 10:37 [sage] 加藤は名古屋市内で小さな印刷工場を経営している。 昨今の不景気の煽りで資金繰りには苦労しているが どうにかこうにか輪転機を細々と回している状態だ。 加藤は左腕の時計を睨み、「ふっーー」とっ溜息。 「もう四時半か」夕方五時すぎに人と会う約束があった。 先月、お得様である八百屋のチラシ印刷の集金に行か ねばならない。「おーぃ 後、頼むぞ。試し刷りを しっかりやってから、回してくれ」加藤はアルバイト の若者に大声で伝えた。「はぁーい 分かってまーす」 明日、12月24日 朝一番で銀行に行き、入金しなけ れば、不渡りを出すという瀬戸際である。加藤は疲れた 顔で名古屋市中区錦のテレビ塔近くの待ち合わせ場所を めざした。
6:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 10:38 [sage] 「最近、少し太ったかな」遼子はわき腹の肉をすらっと 伸びるきれいな指でつかみ、独り言を呟いた。その仕草を ファインダー越しに見ていた、カメラマンが「何、言ってるの 遼子ちゃん、それで太ったなんていったら世の女性達から ブーイングだヨ!」 遼子はカメラマンに向かい ニコッ と 笑顔を 「お疲れさまでしたーーーーー」 しかめっ面をして みせ、悪戯ぽく舌を出した。「ほい! おつかれ」 スタジオ を後にした。ひょんな事から、ファツション雑誌のモデルを 始めるようになり遼子の生活は、ここ一、二年で劇的に変わって しまった。華やかなスタジオから冷えた廊下のリノリュウムの 床を見つめ遼子は重い問題を思い出さずにいられなかった。 付き合っている彼のあかちゃんがお腹にいると思うと.... クリスマス前日にその事を彼に話すか話すまいか遼子は迷っていた。 今日、12月23日 堕胎するにはギリギリの時間を重ねてしまった。 「気が重いな〜〜〜」 遼子は溜息と共に待ち合わせ場所へと 歩を進めた。冬の日が沈み、闇が辺りを包みはじめる、街のビル 灯り、車のヘッドライト、ジンクルベルが流れる、さまざまな 喧騒渦巻く名古屋市中区錦のテレビ塔下の道端。遼子の背後で 「あっ!」っという声がする。雑路は年末の為か人々で混雑して おり、あちらこちらで「なんだ!」「ゲッツ!」人ごみ全体が ざわざわし始めてきた。 「上、うえ、空..」
7:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 10:38 [sage] 純平はそのさわぎの中心にいた。夜空から雪のようなものが 降ってくる。普段、下を向いて歩く癖がつき、めったに夜空 など仰ぐ事などなかった純平はそのきれいな光景に釘付けに なってしまい動けない。
8:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 11:08 [sage] 集金用のセカンドバックを小脇にかかえ師走の街を歩いてい た加藤も名古屋市中区錦のテレビ塔近くの人ごみの中にいた。 足元をみつめながら、足早に歩を進める。と道端に1ドル紙幣が 加藤は手に取り夜空のビル灯りに、そのピン札を透かしてみる べく空を仰いだ。 風に乗りゆらゆらと雪が舞っている。 加藤は呆然と首が痛くなるまで 夜空を見上げていた。
9:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 11:12 [sage] 平成15年12月23日 夕刻5時すぎ その頃、ひとりの男が名古屋市中区錦のテレビ塔の展望台にいた。 展望台のいすに上り、鉄格子のすき間から、1ドル札をばらまいた。 その様子を展望台にいた三十数人の客は遠巻きに男を眺めていた。 人間は疲れたり苦しい時、哀しい時、元気のないとき うつむいて しまう。神さまは気まぐれで、そんな人々に空を見るよう雪を降らす。 完
10:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 11:25 [sage] 「時の砂」 日々の重さが胸に染み ふと立ち止まる 頭のなかで分かっているがこころが停滞 そんな日々を綱渡 好きなことをやって生きているのだからと 人は言う 幸せと不幸せは紙一重 しあわせと気づかない不幸せな午前二時 日々の充実が遠ざかり ふと立ち止まる 頭のなかで分かっているがこころが停滞 そんな日々を綱渡 好きなことをやって生きてこれたのだから 一人納得 幸せと不幸せは紙一重 しあわせと気づかないふりする午前二時
11:寒◆GNeSanpo26 :04/01/04 11:30 [sage] 「順番」 俺は今、長い順番待ちをしている。それはそれは ながい事待っている。 いまの生活に不満はない。しかし、楽しくもない。 俺の住んでいる所は寒くもなく熱くもない。まるで 一年中、春先のような気候である。 仕事もうまくいっている。自分の性に合っているの かもしれない。
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